住所:〒596-0046 岸和田市藤井町1-12-5 エアリーズ上野1F   

電話:072-437-5811  Fax: 072-437-5836  メールアドレス: clinic@demizu-c.or.jp

 短期間の入院治療で改善したり治ったりすることがが望めない 

 病気になったり、障害が残ってしまい通院することに支障がある場合に

 人生に残された貴重な時間を住み慣れた家、地域で
 患者さん・ご家族が望むように過ごすことを

 患者さんやご家族の希望(個別性)を尊重して、
 医療(訪問診療や往診・訪問看護)・介護面(ケアマネージメントなど)からサポートすること

 だと考えています。 (当院の在宅ケアの案内をPDFでみる

1.訪問診療と訪問看護
 当クリニックでは長期にわたる病気で自宅療養されている方、病状から外来通院の困難な方、自宅で寝たきりの状態にある方、自宅で療養されるがん患者さんなどのご家庭を医師、看護師が計画を立てて定期的に訪問し(訪問診療・訪問看護)、患者さんの診療、看護をおこなうとともに、病状の観察や療養上の注意、日常生活での介護方法などを説明させていただきます。ご家庭で介護、療養をしていくことは大変なことではありますが、住み慣れた家、地域で安心して療養していただけるよう、スタッフ一同全力でご協力させていただきますのでお困りのことは何でもご相談下さい。必要なときには24時間いつでも連絡がとれるようにしております。


1)訪問日
 落ち着いて予定が立ったら、訪問予定を書いたカレンダーをお渡しします。通常毎月月末に、翌月のカレンダーを渡しています。通常この計画通りの日にちに訪問を行い、途中で変化があれば臨時に往診、訪問看護をおこないます。
 訪問予定日は朝9時~10時頃に看護師が電話を入れます。(この時間帯にご都合が悪い場合は、ご相談ください。)この時、患者さんのご様子を尋ね、薬や処置に必要な物品が無くなっていないかなどをお聞きしますので、あらかじめわかる場合は見ておいてください。そして、大体の訪問予定時刻を相談してお知らせします。何軒かの家に連続して訪問をしていますので、予定通りに行かないこともあり、30分程度前後することはご理解下さい。
 医療保険や介護保険の一部自己負担金や交通費などをいただく場合は、訪問した翌月の10日過ぎに、請求明細書をお渡ししますので、ご清算下さい。毎回の訪問時に、お金はいただいておりません。

在宅訪問カレンダーの例


2)訪問の回数
 患者さんの状態により様々です。基本的には状態が落ち着いておられれば、2週間に1回の医師による訪問診療と週1回の訪問看護を行います。また、看護、処置などが必要な場合には、訪問の回数を必要な回数まで増やすこともあります。状況によっては、日曜や祝日も含めて毎日訪問をする場合もあります。診療は医療保険で、看護は介護保険または医療保険を使って行います。


(3)訪問で行うこと
 診察、注射、点滴、投薬、採血検査、血液ガス測定、心電図検査、腹部エコー検査、バイタルサインチェック(血圧、脈拍、体温、酸素飽和度測定、意識や呼吸回数などの測定と観察)、処置(褥瘡(床ずれ)、カテーテル類(胃瘻、腸瘻、気管切開チューブ、膀胱留置カテーテル、中心静脈ルートなど)の管理など)、保清(体を拭いたり、シャワーや入浴の介助)、設置している医療機器(吸引器、吸入器、酸素濃縮装置、持続注入装置など)の使用説明やチェックなどを行うことができます。

(4)訪問ではできないこと
 レントゲン撮影:必要な場合は病院またはクリニックに来ていただいて撮影します。
 CT、MRI、内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラなど)、超音波検査の一部(心エコーなど)や、その他高度な医療機器が必要な検査や治療は、病院と連携を取っておこないます。

24時間365日対応
 当クリニックは外来診療と在宅診療を行っています。通常の業務時間は平日8:30~17:00、土曜8:30~12:30で、日曜祝祭日は休みです。ただし在宅患者さんには、夜中でも休みの日でも、必要なときには24時間連絡がつくようにしていますので、ご連絡下さい。電話での相談、看護師または医師の訪問を必要に応じて行います。
<別紙 緊急時の連絡法 をご覧下さい(在宅ケア開始時にお渡ししています)>

2.緊急時

 3つの場合が考えられます。

(1)落ち着いて過ごされていたのに、急に苦しがったり、出血をしたり、大きなけがをしたりと言うように、病院での検査、治療が必要な場合。
 まずクリニックに連絡をいれていただければ、救急車をすぐに呼ぶか、一度往診をしてからにするかなどを電話で相談し、指示をさせていただきます。もちろん超緊急時には、直接救急車を呼んでいただくこともあります。119にかけて、まず「救急です」といって、名前、住所、場所、電話番号、状態などを救急隊の指示に従って伝えます。とりあえず必要なのは、保険証とお金を持つこと、家の火の始末、戸締まりです。余裕があれば当クリニックからでている薬の内容がわかる紙を持って行ってください。また、当クリニックにも連絡を下さい。診療情報を搬送先へFAXできます。

(2)病状がだんだんお悪くなってきていて、いつ何が起きてきても不思議ではないというような状態にすでになっておられ、色々検討した結果、このまま家で看ていくことになっている場合。

 このときに、さらに大きな変化が起きてきたときは、通常、病院に行っても積極的な治療は困難だと思われます。病院でも延命のためにのどに管を入れて人工呼吸器をつけたり、点滴で昇圧剤を投与するなどの方法をとるしかありませんが、ご本人にとっては苦しい状態を続けることになりかねません。前もって、ご本人やご家族のご希望を確かめておくことが前提ですが、救急車より私たちを呼んでいただく方が望ましいと思います。相談の上、苦痛を緩和する方向での治療を行うことが家でも可能です。

(3)大変まれな出来事ですが、朝、様子を見に行ったら、お返事が無く、呼吸もしていない、身体も冷たいといったことが、無いわけではありません。こうした時は夜中に亡くなられている可能性が高いと思います。このときも、あわてて救急車を呼ばずに私たちにまずご連絡、ご相談下さい。訪問して対処をすることができます。

3.投薬について
 内服薬、坐薬、ぬり薬、貼り薬、一部の点滴などの薬は処方箋でお出しします。在宅の場合、病院から様々なお薬を引き継いだり、医療用の麻薬が必要になったり、多様なお薬が使われますので、自院の在庫にとらわれず日本で使える薬はどれでも使える処方箋が便利です。近くにご存知の調剤薬局があればそこで薬をもらうことが出来ます。薬を取りに行くのが不便だったり、薬のでる回数が多かったりという方は、希望すれば薬局さんから薬剤を届け、服薬指導をしてもらうこともできます(医療保険の場合:訪問薬剤管理指導、介護保険の場合:薬剤師による居宅療養管理指導)。この場合、介護保険の場合(1割 要介護認定の限度額とは別に使えます)、医療保険の自己負担(1割または3割)がある方は費用が別にかかりますが、大きな金額ではなく、夜や休みの日などに急に薬が必要になっても安心ですので、お勧めしています。

4.病院受診との兼ね合い

病院の外来受診と在宅ケアは並行して行うことができます。必要とご希望に応じて
利用が可能です。どちらも医療保険が適応されます。

1.病院外来で週1回抗がん剤投与を受けていて、その間を在宅で診ている場合
2.病院の予約は月1回や2-3ヶ月に1回で主に在宅で診ている場合
3.普段は在宅でだけ診ていて、必要なときに予約して病院受診をしている場合
4.在宅でだけ診ていて病院には何年も行っていない場合

など、色々な方がおられます。また必要なときは病院外来での検査、救急受診、
入院などをすることが病院との連携で可能です。

普段、地域でよく連携している病院は
市立岸和田市民病院、岸和田徳洲会病院、和泉市立総合医療センター、市立貝塚病院、りんくう総合      医療センター、葛城病院、寺田萬寿病院、藤井病院、天の川病院、岸和田平成病院、岸和田リハビリ      テーション病院、泉佐野優人会病院
などですが、それ以外の病院とも連携可能です。

またこれまでに次のような遠くの病院との連携もおこなっています。
国際がんセンター、大阪府立急性期総合医療センター、国立病院機構近畿中央胸部疾患センター、国立     病院機構大阪医療センター、近畿大学付属病院、堺市立総合医療センター、大阪府立母子保健総合医療     センター、ベルランド総合病院、大阪市立大学付属病院、大阪警察病院、大阪市立総合医療センター、     和歌山県立医大付属病院など

介護保険申請をされていたり、これからされる場合で、これまでにケアマネージャーさんがおられなかったり、心当たりの無い場合は、当院の訪問看護師のうち4名がケアマネージャー資格がありますので、ご相談下さい。特に、がんや神経難病などは医療との連携が重要ですので、当院にご相談ください。

4.費用について
基本は「医療保険一部負担金」+「介護保険利用料」+「交通費」です。

介護保険の認定の無い方は介護保険の利用料(1〜3割負担)は不要です。
医療保険は1割〜3割負担です。
医療保険では現在のところ、2級以上の障害者手帳をお持ちの方は、500円/1回・3,000円/月まで。
ある程度重症の特定疾患(いわゆる難病)の手帳のある方などは自己負担限度負担額までです。
介護保険は1〜3割負担です。

介護保険認定が無い方(介護保険の対象とならない疾患の65歳未満の方、40歳未満の方など)
  全て医療保険になります。
介護保険認定を受けている方で、
  訪問診療、検査、点滴、薬代などの医療部分は医療保険
  訪問看護、居宅療養管理指導(医師、薬剤師、栄養士など)は介護保険が原則です。
  ただし、厚生省が決めた特定の病気の方(進行したがん、神経難病、呼吸器装着など)は訪問看護も  
  医療保険です。
  交通費は介護保険分は不要、医療保険分は必要ですが、お近くの方はいただいていません。
  詳しくは相談時にお尋ね下さい。(おおむね直線距離で3kmを越える場合は1回200円をいただくこと 
  があります)

医療保険の場合、1割または2割負担の方は外来と同じ扱いで、クリニックに支払っていただく自己負担分と薬局さんに支払っていただく自己負担分の合計が18,000円を超えれば戻って来ます。
3割負担の方は、それぞれの高額療養の限度額を越えれば戻って来ます。あらかじめ保険に手続きをすれば限度額までの支払いで済む制度もあります。

医療保険の場合のだいたいの目安(薬局さんへ支払っていただく金額は別です)
*実際にはどのような医療(医療機器、検査や点滴、注射など)をするかで変わってきます。


2週間に1度の定期的訪問診療(在宅時医学総合管理料算定)+訪問看護2週に1回 
1ヶ月で 1割 7,500円 3割 22,000円
1週間に1度の定期的訪問診療(在宅時医学総合管理料算定)+訪問看護1週に1回
1ヶ月で 1割 11,000円 3割 3,3000円
(訪問看護が介護保険(1割負担)で行われる場合は3割負担の方は上記より安くなります)

在宅酸素使用 1ヶ月に 1割 +8,000円  3割 + 23,000円
在宅中心静脈栄養点滴施行 1ヶ月に 1割 +7,000円  3割 + 21,000円(薬剤費を除いて)

在宅酸素や中心静脈栄養をしていると1割または2割負担では18,000円の限度額に達します。

進行がんの患者さんに週に4回以上の訪問(訪問診療1回以上を含めて)を計画的に
行ったとき(在宅がん医療総合診療料算定 検査や多くの治療が含まれます)
1週間単位で 1割 18,000円  3割 35,000円
1ヶ月で   1割 18,000円  3割 150,000円(通常、高額療養費の対象になり還付されます)

その他 介護保険に関連して当院でいただく費用として居宅療養管理指導料があります。これは介護保険利用について在宅で医師が説明や助言をおこない、ケアマネージャーや他の介護保険サービス提供者とその情報を連携することに関する費用で、1割負担で
月に580円または1000円程度です。     (ver.2014/01)

←Click